詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

警戒心の強い私は野良のままで

魚眼レンズ越しの警察手帳
それが本物だって信じられず
スーツ姿の二人の男を困らせた
制服だって怪しいけれど

チェーンをかけていても切られたら
手が伸びてきたら包丁で切りつけるか
どこまでが正当でどこからが過剰防衛か
分からないからドアを開けなかった

人を信じることが苦手で仕方がなく
出かけるときは外の気配を探って
誰にも出くわさないように
階段を5階から駆け下りて
帰りは5階まで駆け上った

エレベーターは危険な密室
ひとりで乗れるタイミングをはかる
駅のホームは背中に壁を背負って
突き落とされぬよう警戒を崩さない

刑事は防犯対策万全だと笑って去った
話を聞いた友人は呆れて確率論になった
親が殺そうとした私の生存確率
他人に殺される確率はどれくらいだろう

野良猫の扱いが上手な人に懐いて
そうして逆立ち続けた毛が収まった
なのに失う夢に飛び起きる
私は今も因果で貧相な野良のままだ