詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

楽園を訪ねて

真っ暗な海中洞窟をゆっくり進む
ライトで岩肌を照らしながら
ゴポゴポという泡の音
シュウー シュウー
自分の呼吸がひどく大きい

岩をひとつ越えて
見えた
光だ
幻想よりも祈りに近く
静かに厳かに降り注ぐ
このために暗闇を進んで来たのだ

近づいて光の中に入り込む
照らされる白い砂上に着底し
目を細めて仰ぎ見れば
頭上の岩の裂け目に揺れる青空
銀色の魚がツウーッと泳いでいく

この楽園は彼らのもので
私は招かれざる客で
無粋な装備に身を包み
このまま眠るなど許されない

浮遊感に寂しさを合わせ
ゆるゆると立ち去るのみ
瞼に敬虔な心地を焼き付けて

 

#詩人の本懐 「光」