詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

湿原の奇跡

山を登り湿原を歩いた
木板の道がどこまでも続く
もう二日も歩いている
虚弱な私には無謀だったか

足がもつれて倒れ込む
もうこれ以上歩けない
どうか置いて行ってほしい
喉を震わす力も出ない

あれ
チームの一人が指を差す
上体を起こして振り向くと
完全無欠の虹があった

水色の空を従えて
湿原の端から端にかかる虹
その光彩に囚われて
思わず息を大きく吐いた

細胞が輝きを取り戻し
世界が彩度を取り戻し
ああ 私は まだ歩けると
立ち上がって 一歩 二歩



#詩人の文学館 「光」