詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

悲しい記憶

赴任先がトウキョウになった
つらい記憶が蘇る

月の設備は骨董品
宇宙ステーションは廃棄寸前
遠回りして訪ねよう
痛みは何かに昇華するのか
遠回りして確かめよう

遠足前夜の高揚感
気になる隣の女の子
泣き虫のちっちゃなベンジー
おもちゃのガンで守るのだと
バッグにそっと忍ばせた

事故は突然起こるもの
おもちゃの銃は役立たず
船の故障でベンジーは死んだ
たくさんの子供が犠牲になって
私は生き残る痛みを知った

古いカプセルシューターは
乗ると外が見えなくなった
記憶の中では見えていた

懐かしい痛みとともに
私は地球へ降りていく
昇華できない痛みとともに
私は故郷へ降りていく



#詩人の本懐 「遠足」