詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

外は今日も真っ黒で

小さな鬼が降っている
バラバラと大量に降ってくる
3ミリ程度の黒いヤツだ
顔はよく見りゃわらっていて
悪臭が地面で跳ね返る
耳を澄ませば声もする
キキキキ チチチ

もう何年もこんな朝が続いている

こんなに酷いドシャ降りでは
丈夫な傘が必要だ
私は傘を持っていない

昨日も夜まで暑かった
ささやかな黒い念が蒸発したのか
空は真っ黒な雲に覆われている

サラリーマンが急ぎ足で過ぎていく
ゴミ収集所では主婦が数人笑っている
ランドセルの子供が走っていく
傘もささず何も降っていない様子で

玄関の扉を開けて途方に暮れる
この黒い鬼が見えないのか
あの黒い雲が見えないのか
見える私が壊れているのか
幻覚 幻聴 幻臭 幻夢

私は押し黙り扉を閉めた
ああ今日も外へ出られなかった

こんなに酷いドシャ降りでは
頑丈な傘が必要だ
誰か傘をくれないか



#詩人の本懐 「雨傘」