詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

ふるさとの消息

囲炉裏と土間にカマドにうまや
天井の高い古い家
日が沈むと怖い家
黒光りする床は一足ごとにきしんで
奥の部屋には裸電球がひとつだけ
隅が見えない暗い部屋
何かが潜んでいるようで
何かが飛び出てくるようで
怯えながら震えながら
いつしか眠りについたよう
目を覚ますと
板を並べただけの壁
その隙間から差し込む朝陽
放射状の光にちりがきらめいて
おとぎ話の中のよう

幼いわたしが生きていた
ふるさとはマボロシ
蛍は今も棲んでいるのか
アケビは今も実るのか
知っているなら応えて欲しい
変わりはないと言って欲しい




#詩コン 「壁」