詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

月を読む者

都会は光が多すぎて
闇がないように見えるだろう
でも君のかかとを見てご覧よ
黒いものがみ出ている
それが都会の闇ってヤツさ

都会は物の怪も高密度
ほら君の影がふたつある
停滞している梅雨前線
雨がベショベショ降っていて
物の怪たちが忙しない

隣に座る男の苛立ち
目の前に立つ女の涙
子供から席を奪った老人に
目を血走らせた少年と

物の怪たちにかじられて
悪意で黒く染まっている

渋谷で鎌を振り回す男
中央線に飛び込む女
池袋では老人が車を暴走
新宿じゃ銃を盗み疾駆しっくする少年

やけに物の怪たちが騒がしい
ああ今日はしんげつであったか
こんなに雨がベショベショ続いては
月の機嫌も分からぬというもの
まったく



#詩人の本懐 「新月