詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

無防備なこころ

私のこころは無防備で
神経がき出しで
空気に触れるだけで痛みます

戦争の
悲しい歌を聴かせないで
逃げ惑う話を読ませないで
苦しむ映画を観せないで

原爆の
傷ましい写真を見せないで
川に群がる死体を見せないで
焼けただれた人を見せないで

私は夜毎うなされています

私のこころは
父の暴力
母の呪詛じゅそ
そんなものでいっぱいいっぱい

つらい気持ちの上塗りには
とてもとても耐えられないのです

私のこころは傷だらけ
一時として休まることがありません
ただいまいくさの真っ只中

男子の怒声どせいは深い傷
女子の噂は針の傷
窓ガラスが次々割れて
バイクのエンジンは轟音ごうおん
竹刀の音は脅迫めいて

いつも瀕死の私のこころ
表情をなくし
平然として見えるのは
嵐の前の静けさ
狂気までひと押し

延々と続く糸の上の綱渡り
だから
余分な負荷をかけないで

生きるだけで精一杯な
き出しの私のこころは
歴史のことまで背負えません

私の痛みに気づけないなら
私の痛みを無視するならば
せめて
終始一貫放っておいて