詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

猜疑心の鎧

父の怒鳴り声は大きな音
雷鳴のようで内容はない

頭がボコボコになるような
背骨がギシギシいうような
髪がブチブチ切れるような

痛みは内側へ向かいながら
小さくなっていく
脳だけは揺れたままで

母の呪文は低い声で
耳から入って内側からむしば

心をジワジワと侵食する
神経繊維をプツプツ切って
身体がギュッと硬直する

しびれが外側へ向かって
痛みへ変わり広がっていく
脳も皮膚もただれゆく

すべてが暴力だ
時には拷問だ

拷問を諦める多くの子供たち

信頼できる大人はいない
積極的な大人は迂闊うかつ
目をらす大人は狡猾こうかつ
口ごもる大人は能なしで

私たちには行き場がない
安心できる寝ぐらがない

幸せな子供に見える世界は
半径5メートル
同情する子は無責任
非難する子は愚か者
不幸を羨む子には徒労

大人も子供も
遠回しに暴力的で
自分の世界から弾いていく

身体的に心理的に社会的に
絶望的な孤独をくれた
すべての人へ

素敵な贈り物を
ありがとう
賢明になれる裏切りを
ありがとう

いま私は
誰のことも信用しない
誰の存在にも傷つかない