詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

しあわせの証

幸せとは何者か
わからないから捜しました

人はわたしを
羨ましいといいます
悩みがなさそうで
幸せそうといいます

わたしは悩みを知りません
わたしは幸せも知りません

考える
迷う
保留する
それしか知らないのです

生きのびることに集中して
脳も皮膚も産毛の一本一本も
毎日ヒリヒリしている
ため息さえ空気を揺らさぬよう
そっとそっと生きている
それがわたしのなら

テレビの中の仮想家族の笑い声
奇跡のドラマのクライマックス
ハッピーエンドなハリウッド映画

それが幸せの形なら
幸せをつかむ確率のなんと低いことか
わたしには回ってこないことでしょう

諦めて
忘れ去り
一心不乱に走っていたら
いつしかあなたが伴走していて

あなたと笑い
あなたに導かれ
ある時気づきました
ごはんが美味しいこと
体の中が温かいこと

笑ったら涙がこぼれて
しあわせだと
今 この瞬間が
しあわせだと感じました

部屋の色
隣人のテレビの音声
整列できていない本の山
やわらかく やさしく
おだやかに思えました

あなたとともに食べる
ごはんがしみじみおいしいこと
それが最上級の幸せ

わたしにとってはこれこそが
この上ない
しあわせのあかしなのです