詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

炎に焼かれて

あの子死んだって
アパートの部屋で
オイルかぶって火をつけて

卒業して三年後の同窓会

クラスメイトの男の子
白い肌に大きな黒い
いつも静かな微笑みを浮かべ

彼の声を聞いたことがない

不思議な子だった
十五歳じゅうごにして老人のようで
そのに輝きはなかった

私はたまに彼を観察した
同じ教室にいながら
少しズレた時空じくうにいるようで

祖父母と暮らしている
五人兄弟の一番上で
家は結構貧しいらしい

出所のわからぬ噂話
彼に関する情報はそれくらい
誰も何も知らないということ

どんな想いで
微笑んでいたのか
何を想って
死んだのか

はしゃいで笑っていた私が
隠していた黒いかたまり
彼には見えていただろうか
気づかれてしまっていただろうか

訃報ふほうを聞いて
悲しむ者はいなかった
ただただ驚いていただけで

もし私が死んだとしても
悲しむ者はいないだろう
同じく驚くだけだろう

無言で存在した彼も
走り回っていた私も

苦しみもだえていた心
抱え込んでいた深い傷
同じ場所にいたところで
誰も知ることはない

教室の窓側三番目の席
あの子は大きな黒い
何を映していたのだろうか
最後に何か話しただろうか

何度か同じ夢を見た
炎に焼かれているのはいつも
あの子ではなく
私だった