詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

悲しい写真

幸せな一枚を見た

鮮やかな色のワンピースの母は
モデルのような笑顔で
私はまだ赤ん坊で
母の胸元ではにかみ
全身で喜びを享受している

心が止まる一枚も見た

その一年後の私の白黒写真
瞳が憂いを帯びていた
大人のように物憂げな
一人だけの接写画像
見えない何かを見つめている

一年間で何を見て
何を聞いて
何を思ったのか

私は両親から遠いところへ
預けられた
それだけのことが
小さな私を変えたのか

憂いのある一枚よりも
幸せそうな一枚が
ずっと悲しく見えるのは
後の物語を知っているから
過酷な日々を知っているから

笑顔の写真は切ない
過去の幸せを切り取ったものは
すべからく悲しみをたたえている

幸せな写真は
いつか悲しい一枚となる