詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

不用な子供

私の爪は酷い深爪
きっちり切ると物が持てない
指先に爪が食い込んで
痛くて力が入らない

小さいわたしの爪切りは
ガサツな母が切る爪は
いつも数本血を流す
痛いと叫ぶと怒鳴られる

小さいわたしの耳掃除
ガサツな母が引っいて
いつもカサブタがされて
痛みをこらえて血を流す

小さいわたしの髪留めは
ふたつの事務用輪ゴムだった
髪がゴムに絡みつき
外すと何本もブチブチ切れた

小さいわたしは猫舌で
熱いお茶が飲めなくて
鍛え方が足りないと
無理やり飲まされ火傷した

小さいわたしの妹は
綺麗な顔に綺麗な指先
母は丁寧に扱った
傷つかぬよう慎重に

母は私を嫌ってた
姑に似てると嫌ってた
気持ち悪いとののしった
怖気おぞけが走ると言い捨てた

母は私にこう言った
好きで産んだわけじゃない
出来てしまったから産んだ
仕方がないから産んだのだ

きちんと捨ててくれたなら
スッパリ捨ててくれたなら
何にも期待しなかった
好かれる努力をしなかった

心の傷も
体の傷も
残らずに済んだかもしれない