詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

2019-06-02から1日間の記事一覧

食す権利

飢餓状態のおんなの子 肉が薄いから 吹く風は骨に当たり音がする キシキシキシキシキッキッキッ目はギラついてハイテンション 時折倒れて眠りを貪り 突然裸足で道路を疾走する深夜嬌声をあげ笑い転げて 涙少々 乾きすぎた皮膚は水を吸わない チリチリヒリヒ…

嵐を超えろ

暴力は嵐みたいに始まって わたしは人形になるだから痛くない だから泣かない だから死なない 多分死なない 多分怖くない 怖くない何も感じないんだ喉の奥にかすかに 小さなわたしが生きている勇敢ないのちが 強情ないのちが 狡猾ないのちが 確かにある ここ…

いのちがけの策略

上手に殴られる 骨を折られないために転がったら身体を丸める 内臓を守るために 全身の力を抜くぐったりして見えるよう泣き叫ばない 目を開けて何も見ないある程度の手応え 圧倒的な優位性 殺人者になるリスクそれを わたしは父に与えてやる生き延びるため …

口癖

ごめんなさい ごめんなさい 泣きながら何度も叫ぶ意味はない ただの口癖 小さい頃の わたしの口癖でもね わかったよごめんなさいって 泣き叫ぶと お父さんが興奮する事 痛みが余計に増える事 わたしの心が すり減っていく事窓の向こうの青空を見つめ 死んだ…

あの日喪ったもの

三月がくるたびに 喪失感が身体中を蝕むあの日 故郷にあった無人の家を 津波がさらっていった後 樹々や土が毒に侵され 水も穢されてしまった人々は 誰も死なずに幸いだった そう言うけれど 私にとっては 母が死ぬのはどうでも良いが あの風景がなくなったの…

熱い血

何でもない秋の午後 日当たりの良い花壇にひとり 級友の声は遠くで笑っている土埃をかぶって落ちていた 分厚いガラス瓶の欠けらがひとつ こんなに厚いガラスでも わたしを傷つけうるだろうかわたしはそれを手のひらに滑らせた 皮膚は痛みもなく切れて 鮮明な…

学校崩壊

論理、合理、倫理は無用 窃盗、傷害、器物損壊 隠蔽、横暴、同調圧力 教師参加の集団私刑 責任回避に偏向思想 天下御免の無法地帯 多忙教師は勉強不足 質問しろと大上段だが 説明できない大冗談 道徳の授業どころじゃないでしょ #詩人の本懐 「学校」

私の宇宙で消失した歯

宇宙の時間は無限大で 始まりがなく終わりもない私の身体は時限式 記憶の始めは朧(おぼろ)げで 終わりが来るのは確実で 私はそれを待っている行儀が悪くて静かに待てず 足掻(あが)いて暴れ吠えて噛みつき 前歯が一本折れてしまった離脱した歯はどこかへ…