詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

張り巡らされた幻の糸

それは幻想 手を繋いでいても 隣同士で寄り添っても どれほど言葉を重ねても 分かり合えないことが多くて 誤解が誤解を生み出すから 本当は誰もがひとりぼっち 皆疑うこともなく 現の中で幻の糸を見ている #フォエム52 「つながり」

不用意な筆使い

真っ白な半紙の真ん中へ 筆先からポタリと落ちた薄墨が ボワボワと広がっていく 灰紫の滲みが侵食していく幾度も繰り返されて 心はふやけて破れた 無邪気な悪意の重なりに 狡猾な人々の疑わしき言葉に破れた心は修復不能で べしょりと重い灰紫の塊になり 胃…

その人は逝ってしまった

知らぬ間に逝ってしまった人 思い出は波に浚われた 小高い山の墓だけが残り その土の下に居ると思えず取り残された淋しさ 叶わなかった再会 どれ程痛みを感じても 黙って涙を零すだけで本当はその名を叫びたかった 心では叫び続けていた 見送れなかった苦し…

存在しない私の願い

人の記憶は変容する 人の数だけ事実が出来て 相違を示せば争いとなり 放置すれば貶められる原形を保持しない主観的事実 共有されず消失する客観的事実 争いには疲れた 愚弄される事には慣れず私は存在しない そういう事にして欲しい 忘れ去られる事だけが た…

再生する生命

乾き割れた灰色の土 樹々は根から折れて倒れ 建物はシートの下で朽ちた 獣さえ居なくなって久しいそれでも今澄んで晴れ渡った空 涼風が海から吹き上げ 蒼暗い大気は払われた足元を見よ其処彼処に大地を捲って 若い翠が芽吹いた 折れた樹にも翠が宿るさあ生命…