詩蒐はまだ終わらない

 詩というカタチで、呟き、叫び、疾る (再びコチラに引っ越しました)

まがい物の存在意義

屋上庭園が増えてきて 空撮すれば緑がいっぱい 小さな草原に小さな木立 どれもまがい物だから 風雨の日は心許ない それでも緑は美しい #フォエム52 「未来」

連続する刹那

未だ来ていない刻を思うような 余裕はなくて 漠然と不安を抱えて 倒れるように眠る人々 明日の朝また起きて 必死に走り回る1日 その刹那の連なりが 私たちを未来へ押し出す ベルトコンベアに並べられ#フォエム52 「未来」

夏草の向こう

青々と茂る夏草を掻き分け 私だけの入江に行く 秘密の抜け道を通って 崖に囲まれた静かな海 夕暮れ時に家へ帰るが 誰も私を探しちゃいない だから時々黙って出掛けた 生い茂る夏草に隠れた入江で 孤独に泣きそうな私は あのとき五歳だった

あの夏に戻って

南の島の小さな家 窓を開ければ風が通り 畳に寝転ぶ私の前髪を撫でる さやさやと吹く南風は 海の上で冷やされて 波音も涼やかに連れてくる 誰かが庭で三線を鳴らす 子どもに帰った夢を見た そよ風に微睡む夢だった #フォエム52

雑踏に眩む

人混みの中 少しズレた時間軸に囚われる 人々が行き交う駅前 立ち尽くす私に影はない 私だけが硝子鉢の金魚のよう 生温い水の中 揺らめく街に眩み 息苦しくなり沈んでいく 目の前を幾つもの革靴が過ぎる 緩慢に流れる時間の中 私は死にゆく金魚に 死にゆく赤…